ロシア軍の弱体化、核兵器の管理能力の低下で、冷戦時代よりも核ミサイルの誤射の危険が高まつたと懸念する医師や科学者たちは、こうした悪夢を避けるには、ミサイルを迎え撃つ弾道ミサイル防御(BMD)計画に巨額の予算を注ぎ込むよりは、核ミサイルをいつでも発射できる警戒態勢を米ロがともに解除すべきだ、と提言した。
核ミサイルが誤った警報などに基づいて発射された場合の被害見積もりに使われたのは、北洋艦隊のデルタIV級原潜。潜水艦発射弾道ミサイル(射程約8300キロ)を16基搭載し、それぞれに核弾頭が4つある。この原潜が選ばれたのは、サイロ(地下格納・発射台)式や地上移動式のミサイルより、偶発的な発射を防ぐ安全システムが甘い▽ロシアの戦略核原潜の中軸――などの理由からだ。
全ミサイルのうち12基の照準がワシントン、シカゴ、二ユーヨークなどの8都市に合わされ、4都市に4発ずつ、残りに8発ずつ命中すると仮定すると、半径約4.3キロの住民は熱風で死亡率100%に達する。風速によっては、1発の核爆弾で、全長60キロ 幅5キロの地域の住民が6時間以内に致死量の放射線を浴びる。予測結果は「ザ・ニユーイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の最新号に掲載された。