鉄道用分岐器技術のページ

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保線の技術者の方のために分岐器の技術を分かり易く解説します。

まだ完全でありませんので、リンクも御遠慮願っております。


問:_分岐器の機能は何でしょうか

答:_分岐器は鉄道の線路に敷設される鉄道用構造物(施設)の一つで、線路を走行する車両を一つの軌道から他方の軌道に移す機能を持っています。分岐器は前後のレールに接続するため、前後のレールと同じ形状のレール切削加工して製造されています。


問:_分岐器は一般の線路とどう違うのでしょうか

答:_分岐器は鉄道の線路に敷設されている軌道の構造物(施設)ですが、一般の軌道構造とかなり異なっています。その主な違いを列挙すると次の通りです。
(1)締結していない動くレールがある。
(2)カントと緩和曲線のない急曲線がある。
(3)スラックが一般軌道より小さい。
(4)短区間に多くの継ぎ目がある。
(5)軌間線欠線がある。
(6)入射角を持つ折れ線軌道がある。
(7)短区間に長さが異なり、配置が異なる枕木が並んでいる。
(8)短区間にレール断面の異なるレールが並んでいる。
(9)ガードによる車輪背面誘導がある。
(10)一重弾性締結がある。
(11)信号による折損検知の出来ない区間がある。
(12)短区間にボルト穴が多数連続するレールがある。
(13)突き固めの出来ない枕木がある。
(14)凍結防止のため冬季に加熱するレールがある。
(15)枕木PC化が困難で進んでいない。
(16)比較的排水の悪い敷設状態にある。
(17)信号担当部署との共同作業が多い。
(18)継ぎ手のある枕木がある場合がある。
(19)レール種別、番数、曲線、振り分け、特殊分岐器(ダブルス、シングルス、シーサースなど)の組み合わせにより異なる構造種類が非常に多い
(20)レールの削りにより、タイプレート寸法、削り、枕木長等の違いにより、一つの分岐器内で使用される材料の種類が非常に多い。
_以上のように一般の軌道と比較すると本質的な違いがあり、構造解析あるいは車両運動のシミュレーション解析が行われていますが、一般軌道よりも理論的な説明が難しいので、現場の分岐器を良好な状態に維持するためには、経験による知識を豊富に持ちあわせていないと適切な判断を下すのは困難です。


問:_線路と軌道はどう違うのですか

答:_線路は、線状に繋がる構造物でその上を人・物が通る所ですから、 電気の電線も同じですが、鉄道の線路は、列車または車両が通る土木構造物、停車場設備、信号設備、運転のための工作物など全体を指しています。軌道はその中で列車または車両の荷重を直接受ける、路盤より上の構造物で、サブバラストを含んでいるものです。具体的にはレール、締結装置、枕木、道床等ですが、橋梁上の無道床軌道スラブ軌道のような普通にイメージする軌道でないものも入ります。
_軌道の部材であるレール、締結装置、枕木も改良・改善が進むにつれて色々の種類が出来てきて、日本の鉄道事業者は150社近くありますが、コンクリート枕木の種類は200種類位あると言われています。従ってコンクリート枕木の種類に応じて締結装置の種類も非常に多くなっています。

_軌道の原形は、レールを枕木に犬釘で打ち付けたものですが、枕木も木材だけでなく、コンクリート、鉄、合成樹脂製のものがあります。犬釘も昔は横から見ると犬の横顔に見えたものを使っていましたが、今のは亀の形みたいで形状が変わっても昔の名称が残っています。 犬釘は改良されてねじ釘となり、ばねをボルトで締結するものや、パンドロール製のばねのように自己の弾性で締結するものもあります。 しかし締結装置は万全のものはなく軌道の敷設されている状況に応じて使い分けられています。パンドロール製の締結装置は、フィット・アンド・フォアゲットが売りで、アンチ・バンダルの性能をもち、手間のかからない軌道を作る上で性能の非常に良い締結装置ですが、それでも以前アメリカの北東回廊(ワシントン・ニューヨーク・ボストン間)の200km/h区間で使用したものを見た時には、 100mに数個位の抜け落ちが発生していました。その後改良・改善が進んでいると思われますが、建設費が安く全く検査・保守作業がいらない完全な軌道構造はなかなか難しいようです。しかしだんだんと改善・改良が進み、安定して保守作業の少ない軌道構造が出来て来ているものと思われます。分岐器についても軌道構造と合わせた色々な構造の分岐器が出来て来ています。


問:_分岐器はどのような軌道に敷設されるのでしょうか

答:_ 分岐器は一般的には木枕木軌道上に敷設されます。また、コンクリート枕木分岐器、鉄枕木分岐器、スラブ軌道用分岐器、木枕木直結用分岐器があります。 結論的にはどのような軌道の分岐器も作れますが、使用する条件により軌道が決まって来ます。スラブ軌道用の分岐器では、軌道スラブ版上で分岐器をボルト定着する位置を正確に決める必要があり、ボルト穴位置を正確にするための型板を用いてボルト穴位置を決め、分岐器用スラブを作成します。特に高架橋上のスラブ軌道では、桁と桁の目地を軌道スラブが渡ることが難しく、また分岐器の転換装置などでスラブを渡ることが難しい位置があるのため、スラブ割を十分検討する必要があります。
分岐器の難点は分岐用の枕木寸法に長短があり、最も長いものは5mにも及ぶために木材としての価値も高く、今後は木材でない枕木の分岐器が増えるものと思われます。そのためには重いコンクリート枕木の軽量化と、価格の安い合成樹脂の枕木を開発することが必要になります。ところで国鉄の用語ではマクラギでしたが、今は枕木で良いと思っています。

_枕木の原形は木枕木ですが、分岐器の締結方法として最も原始的な方法は犬釘で定着する方法で、犬釘の他、角とめ釘、丸とめ釘があります。また犬釘の保持力に不足のある場合はねじ釘で締結する設計をしています。


問:_分岐器はどのように作られているのですか

答:_ 分岐器は線路の一部ですから、線路と同じくmm単位の精度で保守することにより、列車の安全を確保し、動揺が少なく、乗り心地の良い状態に保守されています。従って、分岐器の設計、製造においては、列車の安全を第一に考え、動揺が少なく経済的な分岐器となるよう作られています。鉄道用の分岐器は、鉄道200年の歴史の中で、安全を確かめながら次第に改良され、改善されて来たもので、新幹線用の300km/hの速度で通過できる分岐器から、駅の側線で使用される簡易な分岐器まで、種々の構造があります。


問:_分岐器にはどのようなものがあるのでしょうか

答:_一般的に分岐器と言うと、直線の線路から片側に分かれる片開分岐器をイメージしますが、直線の線路から両側にカーブで分かれる両開分岐器振分分岐器、カーブ中で分かれる曲線分岐器 線路が交差する部分に敷設されるダイアモンド・クロッシング交差した部分で分かれるスリップスイッチ、一つの線路から別の線路に渡る渡り線、交差して渡るシーサースクロッシングなどがあります。 また分かれる際に角度が急に分かれる分岐器と緩やかに分かれるなど番数の異なる分岐器、太いレールの分岐器、細いレールの分岐器、新幹線のように速く走る分岐器など、色々な種類の分岐器があって複雑な技術によって設計・製造され保守されています。



ありがとうございました。

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