交通事故問題を考える国会議員の会というのに招かれ,9日お話をしてきました.
立ち上げとしては盛況で,部屋に入りきれない人が出ている程でした.
保坂展人先生初め,秋葉忠利先生,白川勝彦先生.(代表),山本孝史先生が世話役に入っておられます.他にも,田中真喜子先生,田英夫先生,みな交通事故に特に関心のある先生が積極的に活動をされていくという趣旨でこれからの活動がが楽しみでもあります.
早速その記事が出ております.
12/09 20:17 毎: <設立総会>交通事故を考える国会議員の会が発足
毎日新聞ニュース速報
超党派の衆参議員が参加した「交通事故問題を考える国会議員の会」(代表、白川勝彦・元自治相)が9日、正式に発足した。東京・霞が関で開かれた設立総会には30人が出席し、全国交通事故遺族の会の井手渉(わたる)会長(63)や、昨年11月、交通事故死した片山隼(しゅん)君の父親徒有(ただあり)さん(42)が遺族としての心情を語った。
議員の会は、現在1万人近い事故死者を2010年までに5000人以下に半減させることを目標に、事故防止のための具体策や立法措置を検討する。
同会の事務局長に就任した秋葉忠利衆院議員(社民)によると、最終的には衆参の70人近くが参加する見込みという。毎月1回のペースで勉強会を開き、専門家や遺族から話を聞く。
設立総会で、井手会長は「今の法律では、抜本的な事故防止はできない。政治の力で法律を変え、事故の悲劇をなくしてほしい」と語り、片山さんは「目撃者の証言に頼らない科学的な捜査体制を1日も早く確立すべきだ」などと訴えた。
12/09 21:00 朝: ◇交通事故問題を考える国会議員の会が発足◇
朝日新聞ニュース速報
年間約一万人の交通事故死者を二〇一〇年までに五千人以下に半減させることを目標に掲げて、「交通事故問題を考える国会議員の会」が九日発足した。地検の対応が問われた片山隼(しゅん)君の事件などをきっかけに呼びかけられ、「九歳のときに父を交通事故で亡くした」下村博文衆院議員ら超党派の国会議員約三十人が設立総会に出席した。白川勝彦・元自治大臣を代表に選んだ。
「交通事故をなくすためには、取り締まりだけではなく、道路構造改善や教育など省庁の枠を超えた広範な対応が必要だ」として、月一回程度の総会・勉強会を開き、実態調査や被害者対策充実に取り組む。
呼びかけ人のひとり、秋葉忠利衆院議員は総会後に記者会見し、「我々はまず、被害者の経験をもっときちんと理解する必要がある」と話した。「情報開示を含め、被害者のためにどんな制度がつくれるのかを一つの焦点に、加害者にも被害者にも公正で公平な公開された手続きを考えたい」 総会には、片山隼君の父・徒有(ただあり)さんも出席。「隼が命をかけて訴えたのは、交通ルールを守っても事故にあう、という現実だ。しかし事故現場は信号機の位置も何も変わらず、車が横断歩道をふさいでいる。検察の考えは少し変わったようだが、求めていた事故の説明は公判までできないという。実質的な変化を求めたい」と訴えた。
[1998-12-09-21:00]
水曜日の交通事故を考える国会議員の会での講演内容.
片山隼がダンプカーにひき逃げされ,もう一年が過ぎました.
ある意味で区切りはついたとも言えますし,まだこれからなのだという実感もあります.
皆様に聞いていただきたいお話はたくさんありますが,今日は何点かに絞ってお話させて頂きたいと思います.
まず.交通事故の罪について.
人は誰でも人を殺めてはいけないと誰でも知っています.
小学校一年生はおろか,幼稚園児でも知っていることです.
ところが,交通事故に限って言えば,殺めてしまったとしても,その事故内容の議論よりも前に車に乗っていたから業務上過失致死しか適用にならないという現実があります.
殺人ではないのか?
親としてはそう思います。
隼の事故でご担当いただいた安田東京地検交通副部長は起訴してくださった際に申されました.このような,悪質で暴力的なドライバーはきちんと処罰しなければならないと.
でも,その罪状が業務上過失致死が本当に適当なのでしょうか.
私は大いに疑問に感じます.
無線交信をしながら,気が付かなかったと逃げているドライバーを処罰する罪が本当に間違って起こしてしまって反省をしているドライバーと同じ罪で良いものでしょうか?
気が付かなかったと言えば結果逃れられるひき逃げの罪についても同じ印象があります.
徹底した議論が望まれると思います。
科学的な捜査を何故もっと徹底させないのでしょう.
車両の形状、運転席の高さは本当にあれで良いのでしょうか。
今となっては遅すぎると思いますが,事故直後の証拠を何故もっと集めなかったのでしょう.
このような姿勢で臨んでいるからこそ,目撃証人が居ないため不起訴になって泣いている遺族がたくさん居るのです.
今回の事件で、ファックス電子メールで全国の方からお便り頂きました。
今日、この場でご覧いただけないことを残念に思います。
その結果解るのは、年間約一万人から一万五千人の死亡者がいるということは,とてつもない数の悲しみがあると言うことなのです.
その死亡者数についても申し上げます。
警察庁では年間死亡者数の値そのものも事故後24時間だけの数値だと聞いております.
何故24時間なのか。
論理的根拠はどこにもないと思います。
外国のジャーナリストが教えてくれました。
諸外国では24時間以内だけを死亡者数として数えることはないのだと。
どうして交通事故が原因であれば死亡事故に数えるという現実を見る姿勢にならないのか,その点から間違っているのではないかと思います.
このような実態に目を背けているから,交通事故は減らないのだと思います.
数字だけのトリックよりも現実に目を向けていただきたい。
次に子供の安全確保の問題です.
隼は登校時に事故に遭いました.
通学路の横断歩道を青信号で渡ろうとして事故にあったのです.
でも,隼の学校は何も考えてくれませんでした.
事故の本質も命の大切さも全く考えようとしていません.
目を背けて時間が過ぎ去るのを待っているだけと指摘されてもおかしくない出来事がたくさんあります.
すくなくとも隼の同級生がそんな環境で、育てられ育まれてるということは本当に悲しいと思います。隼の死が全く生かされてない現状を彼は嘆くでしょう。
教育の現場でこそ、交通事故の悲惨さを真剣に考え,真っ先に通学路の安全確保をするべきだと思います.
結果,一年経ってどうでしょう.
先日、隼の一周忌を前に、その日を交通安全の日とした。そういう通知を受けました。
その内容を聞いて唖然としました。
交通ルールを守ろう。
この言葉以上のものでも以下のものでもありませんでした。
とても悲しいと思います。
隼が命を懸けて伝えたかたったものは、交通ルールを守らない為に命を奪われたという事なのでしょうか。
違うと思います。
交通ルールを守っても、悲惨な事故は起きてしまう現状を、命に代えて伝えたかったのです。
万一、再びこのような事故がおきてしまったら、どう答えるか。
ずっと聞き続けておりますが、未だに小学校からは何の答えもありません。
未だ何の変わりもなく,あの交差点では渋滞で横断歩道に車が停まることも,毎回の様にあります.子供の安全確保に教職員一体になって子供を守っているという事実もまったくありません.
警官が安全確保に登下校に見守っているということもいっさいありません.
隼は義務教育で小学校に通っておりました.
イヤでもその交差点を通らずに学校に行くことはできません.
どうして国は何の対策も取ってくれないのか大いに疑問に感じます.
未だにその交差点では,疑問に思う信号機の設置,横断歩道の位置,まったく何も変化もないのです.
横断歩道をふさぐ車も毎朝見ることが出来ます。
それを取り締まる警官の姿も見たことはありません。
大型ダンプが通るとガードレールとの間に子供ですら逃れるスペースは全くありません.もしも無意味に広いゼブラゾーンひとつ取っても書き換えられていたら事故は起きなかったのではないかと思うと毎日無念に感じます.
このような交差点は,通学路に限っても全国に無数にあると思います.
その危険な交差点の対応は地元の学校なりが真剣に考えなければ見えてこない部分でもあろうかと思います.
もしかするとお役所の境目の仕事なのかもしれません.
とするなら,なおさら,先生方に真剣に議論していただきたい部分でもあります.
もうひとつ.遺族の権利について申し上げます.
事故後,検察庁で,事故の内容は教える義務はないのだ.という説明を受けました.確かに法律ではそうかもしれません.でもあまりに現実味のない考え方で,それは一部,検察庁は対応を変えたかに見えます.
しかし,内容は未だに疑問に思います.ご署名いただいた21万人以上の目が注がれている事故の対応でさえ,「事実は公判までお話しできません.」とはいったいどういう事なのでしょう.
そうです。隼の事故でさえ、一切事実は明らかにされていないのです。
欧米の様に殆どリアルタイムで調書の開示が出来るようにはならないに
せよ,せめて遺族には解っているすべての事をお話しいただきたいと思います.
問題は、初めてそこから見えてくるのではないでしょうか。
もっとも問題だと思われるのは,そういう検察庁そのものの,チェック機能が全くないと言うことに尽きると思います.
検察審査会が本来その役目を果たすべきだと考えられますが,その決議に法的拘束力がなく,さらに起訴不起訴を決めるのは,元と同じ検察庁では,チェックが無いのと全く同じだと言われても仕方がないと思います.
表面に見える部分だけでなく,実質的な部分での開眼を信じております.
もうひとつ.今後の不安を申し上げます.
今回の隼の事故でも加害者が車を運転し続けていると,事故後3ヶ月後に私たちの前で平然と話したのを聞いて驚きました.
明らかな犯罪に対してあまりにも寛容な行政は、もしかすると,さらなる加害者を産んでしまう根元になるのではないかと心配するところです.
死亡事故の場合、再犯率がかなり高いとも聞いております。
私たち市民には、検察官も裁判官も選挙で選ぶことはできません。
選挙で選ばれた先生方には、この気持ちを理解して頂くことが出来ると思います。
真の民主主義とは、常に国民の批判のもとに成り立つということを。
今後、悲しい国民を出さないように議論し、目に見えるかたちで動き出していただくことを切に望みます。