先日は私たちの為にお時間を頂戴いたしましてありがとうございました.
そしてその三日後に報道の方から嬉しい知らせを頂きました.
お忙しい中,こんなにも早く事故現場を見にいらして下さった事,資料もお読みいただいて頂いているという事,ほんとうにうれしゅうございます.
現場を見て頂いてお分かりになられたかと存じますが,交通量が多い割に道路幅が狭く,大型ダンプが止まりましたら,ガードレールとの間隔は殆どございません.横断歩道も片側にしかなく,ほとんどの車は交差点の中に入り込んで止まり,ほとんどの大人たちは斜め横断をしています.
八歳の子供を一人で安全に学校に行かせる為に,私は毎日申しておりました.「ママも渡りにくいとと思うけど,隼が小さくて見えなくて,車にひかれちゃったら隼に会えなくなっちゃうでしょ.だから,必ず横断歩道を渡るのよ.」と.
そして隼は毎日,元気に「ハーイ!」と返事をして出掛けていきました.事故当日も隼は私の言いつけを守り,小走りで一生懸命,横断歩道までたどり着き,そしてダンプに轢かれたのです.
交通ルールを守り,青信号で横断歩道を渡っていた私の息子が大好きな隼が,あんなに素直で可愛い子がいなくなってしまっても,他は何一つ変わっておりません.
同じ事故がまた起きたらどうなさいますか.隼が横断歩道から6.8メートルの間何をしていたのか,私にもわかりませんし証拠もございません.
それだからといって,どうして隼が悪いのでしょうか.運転手さんに過失が無かったと言えるのでしょうか.
何をしていたかをお考え頂きたいのです.
どうして6.8メートルも離れたところで,隼がダンプに轢かれなければならなかったのかお考えいただけたでしょうか.
その間,隼がどんな気持ちだったか,少しでもお考え頂けたでしょうか.亀井さんが,もし,このダンプに全身を挫滅させられ,お顔もなくなってしまった子供のお父様でしたらどうでしょうか.
こんな大変な事が許されてしまって加害者の未来はあるのでしょうか.よくよくお調べ下さいませ.ご納得行くまでお調べ下さいませ.
そして私たちと12万人の賛同者に納得の行くお答えを下さいませ.
亀井さんにとって,ただ一人の八歳の男の子でも,わたしにとりましては,隼がこの世からいなくなってしまった事は全世界の損失であると思っています.
ほんとうなら,9月8日で隼は九歳のお誕生日を私のもとで迎える事が出来る筈でした.
公正なご判断いただけますこと,信じております.
平成十年七月六日
片山隼 母
亀井検事殿