阿羅漢


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「阿羅漢」の写真

 ある朝、全身に醜い布を巻き、悪臭を放ちながら、ゆっくりとした足取りで歩く人に出会った。

 焦点があっていない眼で遠くを見つめていた。

 早朝に自転車で出発し、繁華街や公園を探し彼らを見つけ出し「写真を撮らせてください」と声をかけた。
しかし、容易に撮らせてくれない。嫌がって逃げてしまう。またお願いする。
唾をかけられても、殴られても離れないでいる、とうとう諦めた時に、二・三枚の写真を撮らせていただいた。

二日間も一緒にいて、やっと撮影できた人
毎日何十キロも歩き続けている人
寝床や着る物を一切持たない人
ひたすら何かを唱え続けている人
全身をビニ−ルで包んだ人
髪の毛が粘土のように固まっている人
話すことも聞くこともできない人
顔が醜く腫れてしまった人
一日中、寝続けている人
栄養不足で足を引きずっている人

 四年間で撮影した人は数百人にもなるが、その中で確かに仏と人間の間にいる人のような輝きをもつ人を十六人選んだ。

 まさに、あらゆる煩悩を断ち、修行する「阿羅漢」と呼ぶに相応しい人たちであると思っている。


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